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X線とは

X線とは

X線と聞いて皆さんは何を思い浮かべますでしょうか。病院のレントゲン検査や空港の手荷物検査などが馴染み深いかもしれません。
X線は電波や紫外線といった電磁波の一種です。通常目にする可視光よりもずっと波長が短く、だいたい1000分の1から100000分の1です。
波長が短い分、透過力に優れており、良く知られている物質を透過したX線画像を作ることができます。

X線の利用方法として最も一般的なのはX線写真でしょう。
物質の密度によってX線の透過性が変わります。密度が大きいものほどX線は透過しにくいため、この性質を利用してX線画像を作ります。
X線の発見者であるレントゲン博士の名にちなんでレントゲン写真と言われることも多いです。
逆に密度の差が少ないものはX線でも見分けがつきにくいものがあります。
たとえば食品に混入した髪の毛などは、2つの密度が近いため映りにくく、金属片は密度差が大きいため映りやすいという特徴があります。

X線は人体に有害であることも良く知られている特徴です。ただ、それ以上に有益な情報を得ることができます。
それらのトレードオフを考慮しながら、なるべく被ばくを抑えて最適なX線画像を得るような工夫がされています。

X線の使い方はその透過性だけではありません。X線が物体を通るときには蛍光・回折という別の現象も起こっています。
蛍光とはX線が物質に当たったときに別のX線(蛍光X線)を出す現象です。
これを利用すれば、出てきたX線の波長を知ることで物質の成分を推定することができます。
回折とはX線を物質にあてたときにX線の波が広がる現象です。
これを利用すれば、X線の波の広がり方を見ることで、物質の原子構造がどのようになっているかを推定することができます。
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