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X線と被ばく

X線と被ばく:その仕組みと安全性について

X線はその有用性の反面、被ばくのリスクが存在するため、その仕組みと安全性について理解することが重要です。
X線は電磁波の一種であり、高エネルギーの光子から成り立っています。これにより、X線は人体や物体を透過する能力がありますが、この透過性のために、X線は細胞や組織に影響を及ぼす可能性があります。
X線は人体に入射すると、一部は透過し、一部は吸収されます。吸収されたX線は細胞内部でエネルギーを放出し、これによってDNAや細胞構造に損傷を与える可能性があります。大量の被ばくが続くと、細胞の損傷が蓄積され、がんや遺伝子異常などの健康リスクが高まる可能性があります。
しかしこれは極端な例で、日常的に用いられている胸部レントゲン撮影や歯科レントゲン撮影での被ばく量は非常に少ないものです。

実は普通に生活しているだけでも我々は宇宙からの自然放射線によってわずかながら被ばくをしています。
その被ばく量は年間で1.5mSv(ミリシーベルト)と言われています。
歯科のレントゲン撮影での被ばく量はこの自然被ばく量の10分の1以下です。

また、医療現場では、X線被ばくを最小限に抑えるために、撮影時には必要最低限のX線を使用し、防護エプロンなどを使って被ばくを防ぐ工夫がされています。
産業用途では、作業員がX線を浴びることのないよう、X線装置外部へのX線漏洩線量が定められています。

X線は医療診断や産業分野で重要な役割を果たしていますが、その使用には被ばくリスクが付きものです。適切な安全対策を講じ、被ばくを最小限に抑えることが健康を守るために不可欠です。医療従事者や関係者だけでなく、一般の人々もX線に関する知識を深め、適切な意識を持つことが大切です。
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